沸騰ワード10で紹介されていた「しゃくね巻き」。島根県西ノ島で食べられている地元料理です。
昔は「人との付き合いがない人は食べられない」と言われていたしゃくね巻き。単純だけど実は凄いんです。
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しゃくね巻きの作り方
すでに申し上げたとおり、しゃくね巻きは地元で採れた岩のりを使ってご飯を巻いた「海苔巻き」です。
このしゃくね巻き、実はかなり独特でして、海苔巻きなのに具を一切いれないのが特徴。
軽く炙った岩海苔の上にご飯を乗せて醤油を塗って巻くだけ。ええ、普通の海苔でも同じことができます。
単純なのに凄かった!
ですが、しゃくね巻は地元でも「人との付き合いがないと食べれない海苔巻き」として有名だったそうです。なぜか?
それはしゃくね巻きに使われる海苔の収穫の難易度が高いことにありました。
しゃくね巻きに使われる海苔の収穫時期は12月~1月という寒い時期。しかもこの時期の海はかなり荒れるため、収穫に一苦労なんです。
さらに崖を登って海苔を収穫することもあり、落下して怪我をする危険性も。
そんなに大変な思いをしないと収穫できない海苔なのですから、ほしいと望む人すべてが手に入れられるといわけではありません。
だからしゃくね巻きは「人と付き合いがない人は食べられない」と言われていたのです。
しゃくね巻きの海苔の販売
今は地元のお店でも地元特産の岩海苔として販売されています。また、地元では今でも自ら岩海苔を取りに行くことも珍しくありません。
しゃくね巻きに使われている岩海苔は十六島海苔(ウップルイノリ)、鬼甘海苔(オニアマノリ)などではないかと言われています。
ちなみに十六島海苔(ウップルイノリ)は同じ島根県の本島側、出雲の名産品として大変広く知られている海苔です。
同じ日本海の、しかも距離的にもすごく近い場所で採れる岩海苔なので、同系統の海苔である可能性は極めて高いです。
ご家庭でしゃくね巻きを試してみたい方はどうぞ♪
大変な思いをしてまで収穫する海苔ですから、それだけ美味しいというのは間違いないのでしょう。
しゃくね巻きの由来
西之島赤ノ江(しゃくのえ)は、赤根(しゃくね)と生名(いきな)という集落が2つになってできな地域だそうです。
しゃくね巻きの由来は昔の集落赤根(しゃくね)からとってつけられたという説があります。
赤根の集落が海に近く、集落の人が岩海苔を取って乾燥させ、それを使ってしゃくね巻きを作ったのが始まりなのでしょうね。
なおしゃくね巻きを赤ノ江巻き(しゃくのえまき)と呼ぶこともあるそうですが、昔から伝わってきた伝統料理なのでしゃくね巻きのほうが正しいのかな?と思います。
まとめ
作り方は単純。昔から伝わる素朴な郷土料理。味付けで変わるのはご飯に塗る醤油の量だけ。
でも、だからこそ各家庭で微妙に味が変わり、それが各家庭の「味」として受け継がれていくんでしょうね。
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