たけしの家庭の医学で、長寿物質として紹介されていたAIM。
病気から体を守る物質として、医師が紹介していましたので、AIMについてその効果や増やし方について調べてみました。
AIMは素晴らしい健康効果があることはわかったのですが、少し気になる文献もチラホラ。その点についても紹介します。
目次
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AIMとは?
AIMとは東京大学大学院医学系研究科の宮崎徹教授の研究チームが発見した新しい物質で、「Apoptosis Inhibitor of Macrophage」と言います。
Apoptosis・・・アポトーシス
Inhibitor・・・抑制するもの
of
Macrophage・・・マクロファージ
つまり、マクロファージのアポトーシスを抑制するものという意味です!
・・・なんのこっちゃ(;´∀`)
アポトーシスとは、細胞にプログラムされた自死のことで、役目を終えた細胞はプログラムによって自ら死ぬことで活動を止めます。
よく例えられるのが、「オタマジャクシ⇒カエル」の過程でしっぽがなくなる例です。
体内に侵入した細菌や死んだ細胞を取り込み分解する役割を保つ細胞で、白血球の一種。体内の掃除屋とも言われます。
また、免疫機能の役割も担っている細胞です。
AIMは細菌や死んだ細胞を取り込んで体内の掃除をするマクロファージの自死プログラムを抑制する働きがあるわけです。
AIMが体にもたらす効果
AIMは脂肪細胞に蓄積された中性脂肪を分解することで、肥満を防ぐ効果があります。
また、マクロファージの自死プログラムを抑制することによって、体内に侵入した細菌の除去や死んだ細胞の除去などを促進する効果があります。
しかし、AIMには動脈硬化を促進する原因や、脂肪細胞に蓄積された中性脂肪分解のさいの炎症、それに伴う糖尿病促進の原因に関与していることもわかっています。
- 中性脂肪を分解
- マクロファージのアポトーシスを抑制
- 動脈硬化促進?
- 糖尿病の促進?
AIMの動脈硬化促進についての言及

AIMの動脈硬化促進に関しては、AIM発見者の宮崎教授は「一万人の方を測定した限り、ヒトにおける急速な動脈硬化の悪化はまずありえない」と断言されています。
AIMを体外から過剰に投与する動物実験では、動脈硬化の促進が見られたけれど、ヒトにおいては動脈硬化を促進するほどの血中AIM濃度の増加はないというわけです。
AIMが糖尿病を促進する可能性

AIMが糖尿病を促進する可能性について。
そもそも脂肪細胞の中性脂肪を分解して肥満を抑制する効果があるわけですから、糖尿病を促進する可能性というのがよくわからないという方もいるはず。
実はこれ、最近流行りの「体内の炎症がいろんな病気の原因になる」という理論に関係しています。
詳しい理屈は難しいのでここでは割愛しますが、簡単に言うといかの通り。
◆AIMが中性脂肪の分解
↓
◆そのさいに炎症物質が分泌される
↓
◆炎症物質の作用によってインスリンシグナル障害が発生
↓
◆インスリン抵抗性(インスリンが出にくくなる)増加。つまり糖尿病が促進
という流れです。
ただ、この流れは肥満の人に顕著に見られる流れであって、そうでない方は「AIMの増加によって糖尿病になる!」という直接的な要因にはなりません。
急性腎不全の治療

AIMには急性腎不全を治療する高い効果があるという研究結果を、日本医療研究開発機構が発表しています。
急性腎不全とは、簡単に言えば腎臓の中の尿の通り道(尿細管)にゴミ(細胞の死骸)が詰まることで腎臓の機能が急激に低下するというもの。
AIMは腎臓内のゴミに付着し、それを目印として周囲の細胞が一斉にゴミを排除。急速に尿細管がきれいになり急性腎不全が改善するというわけです。
宮崎教授は「急性腎不全を解消する治療法は今までなかったので、新しい治療法になれば」とおっしゃってました。
このように、AIMにはさまざまな健康効果があるというわけです。
AIMの効果や作用をまとめると・・・
- 脂肪細胞内の中性脂肪分解効果
- マクロファージのアポトーシス抑制効果
反対に・・・
- 動脈硬化促進効果⇒これは宮崎教授によってヒトにおける動脈硬化の急速な悪化はまずない
- 糖尿病の促進効果⇒糖尿病ではない方にとってはあまり関係ないが、脂肪細胞で炎症を起こす点が気になるところ。
以上のことから、AIMを体内で増やすのは良いが、良くない効果が気になるところという感じです。
でもご安心を。
宮崎教授は「納豆にはAIMの体内のバランスを整える食材として良さそうだ」と発言されています。
どういった流れで納豆にそのような効果があるのかはわかりませんが、AIMに詳しい方が言うのならそうなのでしょう。
AIMを増やす秋の味覚

AIMはマクロファージの中で生産されるのですが、AIMを増やす栄養素が「脂肪酸」です。
秋の味覚で脂肪酸が多く含まれている代表的な食材「サンマ」です。
サンマに含まれる脂肪酸は、正確にはオメガ3脂肪酸と呼ばれるもので、もっと一般的には魚の油「DHA」「EPA」と呼ばれるものです。
サンマに含まれる「DHA」「EPA」には、炎症を抑制する効果もあるため、AIMが脂肪細胞内の中性脂肪を分解したときに出てくる炎症物質の作用を抑える効果も期待できるかもしれません。
さらに、これらの油に加えてビタミンCを摂取することでAIMの増加が期待できると宮崎教授は話していました。
サンマにレモン汁たっぷり♪秋の味覚ですね~( ´∀`)
「DHA」「EPA」はAIMを増やす脂肪酸であり、炎症を抑制する効果がある
まとめ
脂肪を燃焼させ、しかも健康な状態に戻してくれるAIM。
たけしの家庭の医学では、医師がAIMを「病気に傾いている体を健康な状態に戻す物質」という紹介をしていました。
実際、ヒトにおける動脈硬化の心配は発見者の宮崎教授が否定していますし、糖尿病ではない人にとってはAIMは心配するようなものではなりません。
オメガ3脂肪酸を摂取してAIMを増やして、健康的な体になりたいものですね( ´∀`)
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