たけしの家庭の医学では、大腸がんの発症リスクを抑える旨味成分として「グルタミン酸」を紹介していました。
グルタミン酸はいわゆる「うま味成分」。日本古来から続く昆布で取ったダシに多く含まれる成分です。
グルタミン酸を日常的に多く摂取している人は、大腸がんを発症するリスクが低下するという研究結果が出ています。
たけしの家庭の医学では、京都の老舗の料理人が教える「効率よくダシからグルタミン酸を取り出す方法」を紹介していました。
目次
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グルタミン酸と大腸がん

グルタミン酸に大腸がん発症リスクの低下が認められるという研究結果を発表したのは、オランダの医療センターの博士たちです。
研究では55歳以上の約5350人のオランダ人を対象に、彼らの食生活を詳細に聞き取る中で、グルタミン酸の摂取量を推し計りました。
調査をしている間に約240人の方が大腸がんを発症。
そこから以下のことを導き出しました。
- グルタミン酸を多く摂取している人に大腸がんの発症確率が低い
- グルタミン酸の摂取量が1%増えるごとに大腸がん発症リスクが42%低下
- 太っている人(BMI25以上)の人には発症リスクの低下は見られなかった
このことから、この研究ではグルタミン酸を多く摂れば大腸がんになるリスクが低下すると結論づけています。
なお、この研究はアメリカの有名な医学雑誌「CANCER」にも載っています。
グルタミン酸の大腸がん抑制効果
たけしの家庭の医学では、「グルタミン酸が腸の栄養になっているのではないか?」と話をされていました。
グルタミン酸が腸に入ってくると腸の粘液が増えます。
発ガン性物質や毒素が腸壁に触れる機会が減るため、大腸がんの発症リスクが低下するのではないかと見られています。
菊乃井の料理長の場合
たけしの家庭の医学では、京都の老舗料亭「菊乃井」の、総料理長である辻昌仁さん(48歳)の腸でグルタミン酸の大腸がん抑制効果を紹介していました。
大腸がんのもととなるのがポリープですが、そのポリープができにくくするのがグルタミン酸。
毎日料理の味を守るため旨味成分が入ったダシを摂取している総料理長の腸が、どの様になっているのかを調べてみたのです。
ごく小さなポリープが一つ見つかっただけ!
一般の方で50代~60代になると、ポリープが7個程度見つかるということですから、
この検査結果は凄いですよね。
⇒更に凄いグルタミン酸取れる、干ししいたけのダシのとり方 たけしの家庭の医学
効率よくグルタミン酸を取り出すダシのとり方

日本では専門機関が京都の老舗料亭とコラボして、グルタミン酸の効率よく取り出すダシのとり方を研究しています。
たけしの家庭の医学では京都老舗料理亭のダシの取り方を紹介していました。
◆ダシの材料
- 利尻昆布・・60g
- 本枯節・・・100g(枕崎産)
- 京都の水・・3.6L(井戸水:軟水)
◆ダシの取り出し方
- 水に昆布を入れて60℃で1時間火にかける
(※鍋底に泡がポツポツ出る程度) - 鍋から昆布を取り出したら、一気に85℃まで加熱し100gの鰹節を投入
- 鰹節が沈んだらすぐに濾しましょう。一番ダシの完成です!
80℃以上になると、昆布のぬめりが邪魔をして昆布からグルタミン酸が出にくくなるそうです。
鰹節からのダシは10秒で取ることができます。長い間入れておくとうま味以外の美味しくない成分が滲み出るそうです。
60℃だとしっかりとグルタミン酸が出るようになります。(その量は通常の3倍以上!)
一般的なダシのグルタミン酸量との比較
◆一般的な方法でダシをとった場合
・・・1ml中、71μg
◆松乃井の方法でダシをとった場合
・・・1ml中、198μg
一手間をかけるだけでこんなにすごいですよね!どうりで料理長の腸がきれいなわけだ・・・。
ですが、これは普通に面倒くさい!ということで、昆布で取るよりも8倍以上のグルタミン酸を取り出すことができるダシのとり方を別記事でまとめています。
⇒グルタミン酸が凄い干ししいたけのダシのとり方 たけしの家庭の医学
グルタミン酸を摂取する上での注意

たけしの家庭の医学で紹介されたグルタミン酸は、あくまで食物から取り出したグルタミン酸です。
サプリや調味料として作られたグルタミン酸を対象とした研究ではありません。
実はこの点はとても重要で、昆布などから取り出されるグルタミン酸と、調味料として作られたグルタミン酸とでは、作用が違う恐れがあります。
昆布から取り出されるグルタミン酸とその他の成分が合わさることで、大腸がんの発症リスク抑制効果を生み出している可能性もありますし、
人口のグルタミン酸にはない微妙な点が、天然のグルタミン酸には存在するという可能性だってあります。
今後、研究が進んで、人口のグルタミン酸にも大腸がん抑制効果があることがハッキリするまでは、
面倒くさいですが昆布からしっかりとダシを取るようにしましょう。
まとめ
日本ではおなじみの「旨味成分」に、まさか大腸がん発症抑制効果があるなんて、かなりビックリしました。
しかし、大腸がんは日本人が発症するガンの中でもいつもトップ3にはいるくらいです。
ということは、日本人は以前ほど旨味成分が入っているダシで作られた和食を摂取しなくなっているということなのかもしれません。
もしくは太っている人が増えたとか(;´∀`)。
まぁ大腸がんの発症がグルタミン酸だけで抑えられるものではないと思うので、その他の要因もあるとは思いますが。
ただ、気軽にできる方法ではありますので、積極的に毎日の食卓の中で昆布などから取り出したグルタミン酸を摂取したいものです。
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